Merge には、Merge をさまざまなアプリケーションから起動できるようにするコマンド ライン ツールがいくつか用意されています。アプリケーション固有の手順については、ソース管理、構成管理、およびその他のアプリケーションとの統合をご覧ください。また AppleScript API によって、Merge の制御性をさらに高めることができます。
Compare コマンド ライン ユーティリティ
コマンド ラインから Merge を使う場合には、compare
コマンド ライン ユーティリティの使用をお勧めします。このプログラムは Merge AppleScript API を使って、Merge の新規または既存のインスタンスでファイル比較およびフォルダ比較を起動します。
compare
を使用する前に、Merge コマンドライン ユーティリティのインストール セクション(インストール方法トピック)で説明されているようにコマンドライン ユーティリティがインストールされていることを確認してください。
使用方法
compare [-h] [-wait | -nowait]
[-aN] [-swap] [-max]
[-titleN:"<NthFileOrFolderTitle>" …] [-2 | -3]
{fileArguments | folderArguments}
ファイル比較の fileArguments
は次のとおりです。
[-readonly | -readonlyN …] [-merge [-testconflicts]]
<firstFile> [<secondFile>] [<thirdFile>] [<mergedOutputFile>]
フォルダ比較の folderArguments
は次のとおりです。
<firstFolder> [<secondFolder>] [<thirdFolder>]
全般的な引数
-
-h
使用方法の概要を表示します。
-
-wait
ユーザが Merge で比較を閉じるまで終了するのを待ちます。
-
-nowait
(既定)ユーザが Merge で比較を閉じるまで終了するのを待ちません。
-
-aN
(N
は1
、2
、3
のいずれか)N
番目のファイル/フォルダ引数が、他の 2 つのファイル/フォルダの共通の親ファイルであることを示します。共通の親ファイルは中央の比較ペインに表示されます。3 者間比較でのみ使用します。 -
-swap
左右のペインに表示されているファイル/フォルダを交換します。
-
-max
Merge のアプリケーション ウインドウを最大化します。
-
-titleN:"<NthFileOrFolderTitle>"
(N
は1
、2
、3
のいずか)コマンド ラインで指定された N 番目のファイル/フォルダを表示する比較ペインに情報を提供するタイトルを付けます。この機能によって、バージョン コントロール システムで比較ペインにわかりやすいタイトルが付けられます。たとえば 3 つの比較ペインにそれぞれ
"Djn's Revision v1.1.1"
、"Common Ancestor"
、"Jrs's Revision v1.1.2"
などのタイトルを付けることができます。タイトルは一重引用符または二重引用符で囲む必要があります。タイトル自体にスペースまたは引用符が含まれている場合は、引用符が必要です。一重引用符で囲まれたタイトル内で一重引用符を使用することはできません。また、二重引用符で囲まれたタイトル内で二重引用符を使用することはできません。
-
-2
(既定値。指定されているファイル/フォルダの引数が 4 つでない場合に適用されます)指定されているファイル/フォルダの引数が 3 つ以下である場合は、2 者間比較を実行します。4 つのファイル/フォルダ引数が指定されている場合は、代わりに 3 者間比較が実行されます。
-
-3
指定されているファイル/フォルダの引数が 3 つ以上である場合は、3 者間比較を実行します。ファイル/フォルダ引数の指定が 2 つ以下である場合は、代わりに 2 者間比較が実行されます。
ファイル比較の引数
-
-readonly
比較ファイルが編集されないようにします。Araxis Merge 2023 以降で利用できます。
-
-readonlyN
(N
は1
、2
、3
のいずれか)N
番目の比較ペインにあるファイルが編集されないようにします。Araxis Merge 2023 以降で利用できます。 -
-merge
共通の親ファイルに自動 3 者間マージを行います。3 者間比較でのみ使用します。
-
-testconflicts
(-merge
が必要)マージを実行し、不一致が発生した場合には、その不一致数をユーティリティのステータスとして返します。3 者間比較でのみ使用します。
2 者間比較(-2
)の場合は、<firstFile>
と <secondFile>
(存在する場合)のファイルが比較されます。ファイル引数が 1 つだけ指定されている場合は、1 つの比較ペインのみが設定された状態で比較が開きます。
3 者間比較(-3
)の場合は、<firstFile>
、<secondFile>
、<thirdFile>
のファイルが比較されます。3 者間比較を実行するには、Merge の Professional Edition が必要です。
オプションのファイル引数 <mergedOutputFile>
は、2 者間と 3 者間のファイル比較のどちらでも指定できます。この追加引数を指定すると、ファイル比較のいずれかのファイルに変更を保存する場合の既定の保存ファイル名が設定されます。たとえば、ツールバーの 保存 ボタンを使用してファイルを保存すると、<mergedOutputFile>
に書き込まれます。詳細については、ファイルの保存を参照してください。
3 つのファイルをマージする場合、左右のファイルに対する変更を中央のファイルへ統合する方法が最も簡単な方法です。このため、共通の親ファイルまたはベース ファイル(ある場合)は中央のペインに表示されている必要があります。<secondFile>
が共通の親となるようにファイル引数を適切に並べることができない場合は、コマンド ライン オプション -aN
を使用して共通の親ファイルを指定することができます。3 者間ファイル比較とマージの詳細については、3 者間ファイル比較および自動ファイル マージを参照してください。
フォルダ比較の引数
2 者間比較(-2
)の場合は、<firstFolder>
と <secondFolder>
(存在する場合)のフォルダが比較されます。フォルダ引数が 1 つだけ指定されている場合は、1 つの比較ペインのみが設定された状態で比較が開きます。
3 者間比較(-3
)の場合は、<firstFolder>
、<secondFolder>
、<thirdFolder>
のフォルダが比較されます。3 者間比較を実行するには、Merge の Professional Edition が必要です。
3 つのフォルダをマージする場合、左右のフォルダに対する変更を中央のフォルダへ統合する方法が最も簡単な方法です。このため、共通の親フォルダまたはベース フォルダ(ある場合)は中央のペインに表示されている必要があります。<secondFolder>
が共通の親となるようにフォルダ引数を適切に並べることができない場合は、コマンド ライン オプション /aN
を使用して共通の親フォルダを指定することができます。3 者間フォルダ比較とマージの詳細については、3 者間フォルダ比較および自動フォルダ マージを参照してください。
例
1.
compare file1.txt file2.txt
指定した 2 つのファイルを比較するファイル比較ウインドウが開きます。
2.
compare -wait file1.txt file2.txt
指定した 2 つのファイルを比較するファイル比較ウインドウが開きます。ユーザがファイル比較ウインドウを閉じるまで、比較は終了しません。
3.
compare -wait file1.txt file2.txt /tmp/merged.txt
指定した最初の 2 つのファイルを比較するファイル比較ウインドウが開きます。2 つのうちいずれかのファイルへ変更を保存しようとすると、デフォルトの保存先ファイルは /tmp/merged.txt
になります。ユーザがファイル比較ウインドウを閉じるまで、比較は終了しません。
4.
compare -wait -a1 -3 /tmp/file1.txt /tmp/file2.txt /tmp/file3.txt
指定した 3 つのファイルを比較するファイル比較ウインドウが開きます。ユーザがファイル比較ウインドウを閉じるまで、比較は終了しません。指定した最初のファイルはほかの 2 ファイルの共通の親ファイルであると判断されるので、中央のファイル ペインに表示されます。
5.
compare -wait -a3 -3 -title1:"Djn’s Revision" -title2:"Jrs’s Revision" -title3:"Common Ancestor" /tmp/file1.txt /tmp/file2.txt /tmp/file3.txt /tmp/merged.txt
指定した最初の 3 つのファイルを比較するファイル比較ウインドウが開きます。3 つのうちいずれかのファイルへ変更を保存しようとすると、デフォルトの保存先ファイルは /tmp/merged.txt
になります。ユーザがファイル比較ウインドウを閉じるまで、比較は終了しません。指定されている 3 番目のファイルは他の 2 ファイルの共通の親ファイルであると判断されるので、中央のファイル ペインに表示されます。各ファイル ペインにはわかりやすいタイトルが付けられます。